漆喰(しっくい)は防水性・不燃性に優れ、古くから瓦や石材の接着、壁の上塗りなどに使われてきました。湿気の多い日本の気候に適した、調湿作用・消臭効果も発揮する自然由来の建材です。〈民家〉に使用している「白漆喰」は、部屋の中の空気を澄ませてくれる働きもあります。湿度の調整もされ、夏は涼しく、冬は暖かく感じられます。淡い黄色味を帯びた白が目にやさしく素朴な風合いを醸し出します。
柱や梁、回り縁や腰板などの木材部分を、柿渋、ベンガラ、松煙など、昔から使われてきた天然素材で着色する手法は、〈民家〉の最大の特長といえるでしょう。白木の柱を古色に変えるとぐっと奥に引く感じになり、それだけで部屋の景色が変わります。雨風にさらされたり、囲炉裏の煙にいぶされたりしながら醸し出される風合いを<古色塗料>で仕上げることで、そのままでは気になる釘穴や柱の傷までもが味わいとなってきます。白い漆喰壁と古色を組み合わせることで、なんとも言えない深い落ち着きを感じる空間に演出することができます。